「SNSを活用したIP育成—ファン運営—オフライン転換のチェーン構築が、北方ACGビジネスの短期間での急速な進化と収益多元化の鍵」

「会場の熱量が半端なかった！限定グッズを集めてサインももらえた。一番のサプライズは『恋とプロデューサー』のテーマブースを体験できたこと。これだけでも元取れた」——20日以上経った今でも、16歳の岑安妮（シン・アンニ）は興奮を隠せない。

今年5月、このハルビン出身の高校生は新幹線で北京・順義まで足を運び、WAW（ウェイボーゲームアニメフェス）に参加した。初めての大型オフラインイベント体験に、「周りの友達もみんな二次元好きなのに、北方ではこうしたイベントが少なく、南方まで行くのはコストが高すぎた」と語る。

職場人にも広がる二次元熱
北京のIT企業で働く小艾（シャオ・アイ）は自宅に「痛部屋」を打造——壁一面にアニメ看板、山積みのフィギュア、キャラクター柄の寝具まで揃え、「WAWで缶バッジを集めるために、五一休暇の麗江旅行をキャンセルした」と明かす。

岑安妮から小艾まで、北方でACG消費が急成長し、日常生活に浸透している現実の縮図だ。

データが示す北方市場の台頭
業界メディア「雷報」によると、2025年1月時点でグッズ専門店30店舗以上を有する都市39都市中、北京は221店舗で全国2位。天津・瀋陽・西安など北方都市もランクイン。「Mall星球」調査では、ACGN濃度トップ級商業施設の分布で、新疆・青海・寧夏を除く北方全域から進出が見られる。

5977億円市場の新たな潮流
近年、中国ACG産業は爆発的成長を続け、2024年のサブカルチャー＆関連市場規模は5兆9770億円、ユーザー数5.03億人に達し、驚異的な消費潜在力を示している。

この成長過程で顕著な変化が——従来は南方を中心に発展した二次元文化が、今や北方市場で新たなブルーオーシャンとして急成長中だ。